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2026/04/09 23:19 ~ なし

第5回 卓球部をやめた夏

夏休みの始まりを告げる終業式の日、涼介は卓球部の顧問に退部届を出した。

私服校の校舎は、いつもより軽い空気に包まれていた。
部活に向かう生徒、友人同士で遊びの計画を立てる声。
その中で涼介は、一人だけ違う方向を見ていた。

「勉強に専念したいので、部活を辞めます」

顧問は少し驚いた顔をしたが、強く引き止めはしなかった。
県大会を目指すほどの選手ではなかったが、真面目に練習に出ていた涼介の姿を、顧問はよく知っていた。

「そうか。決めたなら、頑張れよ」その一言で、すべてが終わった。

体育館を出たとき、涼介はなぜか胸の奥がすうっと軽くなるのを感じていた。

――これで、勉強に集中できる。
そう思った。

中学時代もそうだった。
部活を終え、塾の課題に追われ、時間をすべて勉強に使うことで結果を出してきた。

だから今回も、同じだと思った。
だが、その考えは、高校という場所では、あまりにも甘かった。


夏休みが始まって数日。
涼介の机の上には、問題集と参考書が積まれていた。

だが、ページはなかなか進まない。

数学の問題を開く。
途中式を書こうとして、手が止まる。

……何から書けばいい?」

英語の長文を読む。
単語は見覚えがあるのに、意味がつながらない。

気づけば、時計だけが進んでいく。

部活があった頃は、「疲れているから今日はここまで」と区切りがあった。

だが今は、時間だけが無限にある。

そして、その無限の時間は、涼介にとって味方ではなかった。

 

午後三時。
スマホが震える。

〈今日ヒマ?〉
〈カラオケ行かね?〉

以前なら、「部活あるから無理」と断れていた誘い。

今は、理由がない。「少しだけなら……

そうして外に出る日が増えた。

遊びから帰っても、「今日はもういいか」と机に向かわない。
それを繰り返すうちに、涼介は気づき始めていた。

――部活をやめても、
――
勉強ができるようになるわけじゃない。

だが、その事実を認めるのが怖かった。


8月の終わり、学校で行われた確認テスト。

結果は、散々だった。

数学は白紙に近い。
英語は勘で選んだ選択肢が外れていた。

涼介は答案を見つめながら、喉の奥が詰まるのを感じた。

「俺、何やってるんだろう」

部活をやめた。
時間もある。

それなのに、何一つ前に進んでいない。

中学時代の成功体験が、今の自分を縛っていることに涼介はまだ気づいていなかった。

ただ一つ確かなのは、この夏が・・・
彼の人生で最も空回りした夏になりつつある、ということだった。

そしてこの選択が、のちに涼介をどん底まで連れていく入口だったことを、彼はまだ知らない。

物語は、静かに、しかし確実に、次の崩壊へ向かっていく。


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