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2026/03/22 23:24 ~ なし
第2回 進学校の空気
入学式から数週間が過ぎた頃、涼介はこの学校に独特の「空気」があることに気づき始めていた。
校舎に制服はない。パーカー、シャツ、私服。見た目は自由で、どこか大学のようだった。
だが、その自由さの裏にある無言の圧は、中学とはまったく違っていた。
授業中、教師は細かい説明をしない。
「ここは自分で確認しておいて」
「この程度は分かるよね?」
誰も反応しない。質問も、ほとんど出ない。
涼介は、周囲を見回した。
ノートを取る生徒。
黙々と問題集を開く生徒。
授業を半分聞き流しながら、別のことをしている生徒。
――みんな、分かっているのか?
そう思った瞬間、自分だけが置いていかれているような感覚に襲われた。
中学では、「分からない人向け」に説明が用意されていた。
だが、ここでは違う。
分からないのは、自己責任。それが、この学校の暗黙のルールだった。
数学の授業で、涼介は初めて完全に思考が止まった。
板書を写しても、式の意味がつながらない。
「なぜそうなるのか」が分からないまま、次の行に進んでいく。
ノートの余白に、小さく「?」を書き込む。
だが、その「?」が二つ、三つ・・・と増えていく。
放課後、教室に残って復習しようとした。
だが、どこから手をつければいいのか分からない。
教科書を開いても、書いてある言葉が頭に入ってこない。
中学時代のスパルタ塾では、考える前に量をやらされた。
「とにかく解け」「間違えたらやり直せ」
そのやり方で、涼介は結果を出してきた。
だから、高校でも同じことをすれば何とかなると思っていた。
――だが、何かが違う。
問題の難易度ではない。時間の問題でもない。
「考え方」が、合っていない。
そう感じながらも、涼介はそれを言葉にできなかった。
昼休み。クラスメイトが模試の話をしている。
「この前の記述、結構取れた」「英語は長文次第かな」
涼介は、笑って相づちを打った。
自分も、その輪の中にいるふりをしながら。
だが内心では、焦りがじわじわと広がっていた。
「まだ大丈夫だ」「最初だけだ」
そう言い聞かせながら、涼介はこの“進学校の空気”に無理やり適応しようとしていた。
それが、後に大きな挫折につながるとも知らずに。
▶ 第2回の終わりに
涼介は、まだ「失敗」していません。
ただ、ズレ始めただけです。
進学校では、このズレに
早く気づけるかどうかで
その後の数年が大きく変わります。
「分からない」が言えなくなったとき、何が起きるのか
- 授業についていけていない気がする
- でも、どこが分からないか説明できない
- 周りはできているように見える
これは、涼介だけの話ではありません。
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まだ成績が落ちきる前に、一度立ち止まって整理してみませんか。