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2026/05/25 22:15 ~ なし

第13回 妹の正体

田中の妹の存在を、涼介がはっきり意識したのは、ある昼休みだった。

私服の校舎は昼になると一気に緩む。
パーカーにジーンズ、スニーカー。
それぞれが好きな格好で、好きな場所に散っていく。

田中はいつも通り、窓際の席で英語の長文を読んでいた。
昼休みだというのに、机の上にはスマホよりも問題集が広がっている。

「なあ田中」

涼介が声をかけると、田中は顔を上げた。

「お前さ、妹いるんだよな?」

一瞬だけ、田中の視線が泳いだ。
それから、少し照れたように笑った。

「ああ。高1。うちの学校」

「マジで? 進学校だよな、ここ」

「まあな」

それだけで会話は終わると思った。
だが、涼介の中で引っかかりは消えなかった。

――同じ学校。
――
しかも、田中の妹。

噂はすぐに耳に入ってきた。

「田中の妹、部活の強化選手らしいぞ」
「それでいて成績、めちゃくちゃいいって」

涼介は信じられなかった。

部活の強化選手。
忙しいに決まっている。
それなのに、成績は学年上位。

一方の自分はどうだ。

部活をやめた。
時間はある。
それでも、学年最下位。

放課後、涼介は思い切って聞いた。

「なあ……妹、すごいんだな」

田中は少し黙ったあと、こう言った。

「すごいっていうか……やり方が違う」

「やり方?」

「全部やろうとしない。やるべきことだけ、徹底してやる」

涼介は、その言葉を噛みしめた。

「でもさ、お前の方が入試の順位、上だったんだろ?」

田中は苦笑した。

「そう。だから最初はムカついたよ。なんで俺より上なんだって」

「じゃあ……

「理由は分かった」

田中は、はっきり言った。

「妹は、勉強を管理されてない。でも、勉強が整理されてる」

涼介は、その違いが分からなかった。

管理と整理。
似ているようで、決定的に違う言葉。

田中は続けた。

「妹が通ってた塾さ……普通の塾じゃない」

その名前を聞いた瞬間、涼介の中で、何かが静かに動き始めた。

――ネクストリーダー。

まだその意味を、涼介は正確には知らなかった。

だが、確かに思った。

「ここに、答えがあるかもしれない」


成績の差は「才能」ではありません

涼介が感じた違和感は、
多くの高校生が抱えています。

  • 時間はあるのに成績が伸びない
  • 自分より忙しい人の方が結果を出している
  • 勉強しているのに報われない

それは、能力ではなく、「学習が整理されていない」だけかもしれません。

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