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2026/06/13 05:09 ~ なし

第15回 無料体験の門

ネクストリーダーという名前を知ってから、涼介の中で、その八文字は妙に引っかかり続けていた。

田中の妹が通っていた塾。
田中自身が、高1の秋から通い始め、英数を一気に伸ばした場所。

だが、涼介はすぐに申し込むことができなかった。

「どうせ、できるやつ向けなんだろ」
「今さら行っても、笑われるだけじゃないか」

そう思う一方で、模試のE判定と担任の言葉が、頭の中で何度も繰り返される。

――大学進学は難しい。

逃げ場は、もうなかった。

放課後。
私服のまま、駅前を歩く。
進学校の生徒らしく見えるかどうかなど、どうでもよかった。

ネクストリーダーの教室は、大手塾のような派手な看板もなければ、ガラス張りで中が見えるような造りでもなかった。

小さな看板。
静かな入口。

一瞬、足が止まる。

ここに入ったら、「できない自分」を認めることになる。

涼介は、深く息を吸って、ドアを開けた。


「こんにちは」

出てきたのは、想像していた塾の先生とは少し違う男性だった。

スーツでもジャージでもない。
職人のような雰囲気で、年齢は分からないが、教師と言うより「心理カウンセラー」という印象だった。

「初めまして、塾長の山下です。今日は無料体験だよね。涼介さん」

名前を呼ばれた瞬間、胸の奥がわずかにざわついた。

面談室に通され、椅子に座る。

机の上には、模試の成績表も、教材も出てこない。

代わりに、山下はこう言った。

「じゃあ、まず聞かせてほしい。今、何が一番しんどい?」

涼介は言葉に詰まった。

山下は涼介に聞く。

成績?
やる気?
将来?

どれも当てはまるが、どれも正確ではない気がした。

しばらく黙ったあと、涼介は正直に答えた。

……何からやればいいか、分からないです」

山下は、少しだけ頷いた。

「うん。それなら、まだ大丈夫だ」

その一言に、涼介は思わず顔を上げた。

「多くの生徒はね、何をやっているか分からないまま、やってる気になってる
君は、自分が分かっていないことを、ちゃんと分かってる」

山下は、初めて紙を取り出した。

そこに書いたのは、参考書名でも、授業数でもない。

・今の学力
・志望校
・使える時間
・性格

「勉強は、才能じゃない。設計だ」

その言葉は、これまで聞いてきたどんな励ましよりも、静かに、しかし深く、涼介に刺さった。

「今日は、勉強はしない。まずは、君の勉強の設計図を作ろう」

涼介は気づいていた。

ここは、管理される場所でも、詰め込まれる場所でもない。

「やり直すための入口」だと。


無料体験を検討している方へ

「塾に行く前に、まず話を聞いてほしい」
「今の状況を整理したい」

涼介が最初に求めたのも、それでした。

小学生の基礎づくりから、高校受験・大学受験・資格試験まで通用する「一生学び続ける力」を指導している長野県須坂市の学習塾ネクストリーダーでは、体験前に無料の学習相談を行っています。

指導を受けるかどうかは、その後で構いません。
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